研究所所長挨拶
昨今の未曽有の経済危機は、これまでの資本主義の在り方とそれに基づく企業経営の在り方を根底から揺り動かすこととなりました。とりわけ株式市場を中心とした金融主導の経営が揺らいだ今、先進資本主義諸国は混迷の度合いを高めています。
他方、欧米では近年急速にファミリービジネスに対する関心が高まってまいりました。乱高下する経済の中で着実に成長・発展しているのがファミリービジネスだからです。またアジアにおいても急速にその経済発展とともにその担い手であるファミリービジネスが台頭しつつあります。そのような中で我が国は世界でも有数のファミリビジネス「大国」なのです。一般にファミリービジネスには、一般企業とは異なる経営方式が存在しており、その中には企業の永続化にかかわる智慧が多数存在しています。いまこそ、日本に数多く存在するファミリービジネスの方々と結束し、その知恵を共有化し、さらなる事業発展とその継承を続けねばならないと信じております。そのためにも、当ファミリービジネス研究所は、その経営の助けとなるような知識の創出と、経営人財の教育、訓練、あるいは事業継承の専門家の育成などに努めたいと願っております。

慶應義塾大学 名誉教授
奥村 昭博
